ニューロサイエンスチャレンジ | 武田薬品
ニューロサイエンスチャレンジ
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概要
ニューロサイエンス領域におけるデジタルヘルス・コーポレートパートナーシッププログラム
武田薬品工業株式会社(以下「当社」)は、睡眠覚醒障害の患者さんとそのご家族のQuality of Life(QoL)向上、そして患者さんを診療される医師の診療支援を目的とした最先端のデジタルヘルスソリューションを有する企業・団体の皆様を募集しています。
ニューロサイエンスチャレンジでは、以下の3テーマを目的として、最先端の技術やサービスアイデアを募集します。
- ① 過眠症の認知向上
- ② 過眠症疑い患者の適切な医療機関への連携促進
- ③ 過眠症患者の経過観察・診療支援体制の構築
スケジュール
- 応募期間:2025年8月8日 - 2025年9月30日
- 選考期間:2025年10月
- アクセラレータープログラム期間:2025年11月 - 2026年2月
- Demo Day(当社への最終成果発表):2026年2月-3月
参加メリット
- 当社との共同価値検証(Proof of Value・PoV)機会の提供
- 当社からのメンタリング機会の提供
- 当社シニアマネジメントへのソリューション提案機会の提供
- 当社からのさらなる協業機会の検討
- 当社およびPlug and Play Japan※との交流・関係構築機会の提供 ※本プログラムの連携先であるスタートアップ事業成長支援企業(https://japan.plugandplaytechcenter.com/)
プログラム
募集背景
- 神経疾患はあらゆる年齢の人々に影響を及ぼし、深刻な困難と孤立をもたらすことが知られています1,2,3,4。当社は、神経疾患の中でも特に、睡眠覚醒障害、神経変性疾患、および希少神経疾患の患者さんのアンメットニーズに応えていくことに取り組んでいます。
- また、当社は、画期的な研究と革新的な治療法を通じて、神経疾患を持つ患者さんの生活が大きく改善することに貢献し、これらの障害が人々や社会に与える深刻な影響に対処することを目指しています。
- 本プログラムでは、睡眠覚醒障害の患者さんおよびご家族、医療従事者が直面する課題に対し、革新的なデジタルヘルスソリューションを提供できる企業とのパートナーシップを模索します。
プログラム参加企業・団体決定後、約3か月間にわたり、メンターによるサポートやPoVの実施を通じて技術やサービスアイデアをブラッシュアップします。最終ピッチイベント「Demo Day」では、当社のシニア層へアクセラレータープログラムの成果とさらなる協業へのご提案をプレゼンして頂きます。参加企業・団体の皆様とは、当社との長期的なパートナーシップの可能性を探索します。我々と共に医療・ヘルスケア分野に新たな価値を創造し、すべての患者さんとそのご家族に希望を届ける企業を募集します。
募集テーマ詳細
① 過眠症の認知向上
募集の背景:
過眠症は、日中の眠気を基本症状とする神経疾患ですが、一般社会での疾患認知度は高いとはいえず、患者さん自身も過眠症の症状を異常として認識しにくいため、適切な診断と治療の遅れが課題となっています。特に、日本では「眠気」に対する社会的スティグマが根強く、過眠症の好発年齢である10代から20代前半では疾患症状が単なる生活習慣の問題として誤解されやすい状況にあります5。
② 過眠症疑い患者の適切な医療機関への連携促進
募集の背景:
過眠症の患者さんは、初診時には睡眠障害に対して十分知識を持ち合わせていない医師(以下、非専門医と呼ぶ)を受診するケースが多いと言われています。その場合、過眠症を発症しているにもかかわらず過眠症であることが疑われず、発症から過眠症の診断までに複数の医療機関を受診する(睡眠障害を熟知した専門医への紹介が適切になされずに、診断の遅れにつながる)ケースが珍しくないことが報告されています。 そのため、過眠症症状を持つ患者さんが非専門医を受診した際に、最短経路で専門医につながるような仕組み作りが必要です6,7,8,9,10,11。
③ 過眠症患者の経過観察・診療支援体制の構築
募集の背景:
過眠症患者さんは、診断されて治療を受けている間も、日常生活において過眠症状に悩まされています。そのため、症状の変化を適切に把握しながら適切な治療を受けることが重要です。しかしながら、現在の診療体制には以下のような課題があると考えています12, 13。
- 患者さん自身が症状の変化や治療状況を十分に把握することができず、それに伴い治療を適切に継続することが難しい
- 医師が診察時以外の患者さんの症状変化をリアルタイムに把握することが難しい
- 治療薬の効果測定が困難で、医師が最適な治療方針を決定することが難しい
- 専門医療機関・専門医が限られており、医療アクセスに地域差がある
患者さんにとっては、日常生活の中で症状を客観的にモニタリングし、患者さんと医師が情報を共有しながら、治療方針を決定できるような仕組みが求められています。一方で、医師にとっても、治療の効果を適切に評価し、患者さんの状態を遠隔で確認できるような診療支援ツールが求められています14, 15。
応募要件
- 本プログラムのテーマに関連するアイデア、プロトタイプ、または製品を有し、日本国内でのPoCが実施可能な法人であること
- 日本語もしくは英語でのコミュニケーションが可能であること
参加メリット
本プログラムに参加する企業には、以下のメリットを提供します。
- 当社との共同PoV(Proof of Value)機会の提供:当社が参加企業・団体との共同PoV実施をサポートします。
- 当社からのメンタリング機会の提供:当社のエキスパートによるメンタリングを提供します。
- 当社へのピッチ機会の提供:当社シニアマネジメントへのソリューション提案機会を提供します。
- 当社とのさらなる協業機会の検討:共同PoVの結果を踏まえ、長期的なパートナーシップ(協業、ライセンス契約、製造契約等)の可能性を検討する場合がありますが、協業を保証するものではありません。
- 当社およびPlug and Playとの交流・関係構築機会の提供:ヘルスケアエキスパートによるネットワーキングイベントやワークショップが提供されます。
応募
応募受付は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。
- 応募締切:2025年9月30日 17:00 JST
なお、以下の日程で本プログラムの説明会を開催します。当社からプログラムに対する想いや応募を検討いただいている方々への期待、今回募集のテーマに関して担当者がお話し致します。事前申し込み制となりますので、ご応募をご検討いただいている企業・団体の皆様は是非お申込みの上ご参加ください。
- 日時:2025年8月26日(火)16:00-17:00 JST
説明会は終了いたしました。ご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございました。
- 場所:武田薬品東京本社およびオンラインにて開催
- 説明会参加申込締切:2025年8月22日(金)15:00 JST(オンライン参加申込締切は2025年8月25日(月)23:59 JST)
注意事項
- エントリーの際には、機密情報を提出しないようにしてください。
- 知的財産を保護するために、プログラム参加企業・団体と当社の間で秘密保持契約を締結します。
- 本プログラムは、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝または広告するものではなく、また、投資勧誘を目的としたものではありません。
Q. プログラムにはどれくらいの時間が必要ですか? A. セミナーやイベントの参加は、約3ヶ月間のプログラム期間中とし、それ以外は、各企業・団体と当社の間で相互に合意した目標に基づき推進します。
Q. プログラム参加対象として何社が選ばれますか? A. 3社程度を予定しています。
Q. 選定された企業への出資は保証されていますか? A. 必ずしも出資が行われるわけではありませんが、Demo Dayのピッチの内容に応じて投資を検討する場合があります。
Q. プログラムはオンライン・オフラインどちらで実施されますか? A. 基本はオンラインで開催されますが、一部オフラインのイベントも予定しております。
Q. どのような技術レベルのソリューションが対象ですか? A. 技術レベルには特に制限を設けておらず、早期段階の技術でも応募可能です。
- Parity of Esteem for People affected by Neurological Condition. 2025年7月10日アクセス。https://www.neural.org.uk/assets/pdfs/2017-07-parity-of-esteem.pdf Parity of Esteem for People affected by Neurological Condition. 2025年7月10日アクセス。https://www.neural.org.uk/assets/pdfs/2017-07-parity-of-esteem.pdf
- Atlas: country resources for neurological disorders, 2nd edition. 世界保健機関。2025年7月10日にアクセス。https://iris.who.int/bitstream/handle/10665/258947/9789241565509-eng.pdf
- Follow-up to the political declaration of the third high-level meeting of the General Assembly on the prevention and control of non-communicable diseases. 世界保健機関。2025年7月10日アクセス。https://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/WHA75/A75_10Add5-en.pdf
- Kolappa K, Seeher K, Dua T. Brain health as a global priority. J Neurol Sci. 2022;439:120326
- 内山 真(編)『睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版』じほう, 2019
- Ohayon MM, et al. Sleep Med. 2021;84:405-414. doi: 10.1016/j.sleep.2021.06.008
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