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デング熱ワクチンの7年間にわたる感染および入院予防効果を示した新たな第3相臨床試験結果について | 武田薬品

デング熱ワクチンの7年間にわたる感染および入院予防効果を示した新たな第3相臨床試験結果について


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2025年11月4日
  • QDENGAの長期安全性プロファイルおよび2回接種を支持
  • QDENGAは、最も長期間にわたり評価されたデング熱ワクチンであり、過去の感染歴に関わらず、使用が承認されている唯一のワクチン
  • タケダは公的予防接種プログラム、民間支払者、公衆衛生連合と協業し、QDENGAの世界的なアクセス拡大に注力し、流行国11カ国で1,860万回接種分を供給

当社は、2025年11月3日(米国時間)、当社のデング熱ワクチンQDENGA ®▼(4価弱毒生デング熱ワクチン)(開発コード:TAK-003、以下「QDENGA」)を7年間にわたって評価した主要な第3相臨床試験であるTIDES(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)試験Go to https://clinicaltrials.gov/study/NCT02747927?tab=tableを完了したことをお知らせします。本試験には追加接種の探索的解析も含まれており、これらのデータから、QDENGAのベネフィット・リスクプロファイルとともに、2回接種によりデング熱に対する持続的な予防効果が得られることが確認されました。このことは、多くの国々での現在の承認内容と一致しており、予防接種スケジュールの簡素化およびアドヒアランスの向上が期待されます。

「デング熱は前例のない規模で急増しており、2024年だけでも100を超える国で1,400万人を超える症例が報告されています。主に気候変動と都市化が適切になされていない影響によるものです。ブラジルは、従来デング熱の影響を最も受けている国の1つであり、デング熱症例数が過去最多を記録し、重症度及び死亡数の上昇の一因となっています。この感染拡大は、QDENGAのような予防法が早急に必要であることを指し示しています」とブラジル保健省所轄のオズワルドクルス財団の上級研究者であるEdson Moreira医師は述べています。「ブラジルの公的予防接種プログラムにQDENGAが導入されたことで、症候性デング熱症例が減り、デング熱に関連する入院が減少しました」。

QDENGAの2回接種(初回接種)後4.5年までの結果によると、ウイルス学的に確認されたデング熱(VCD)に対するワクチン有効性(VE)は、61.2%(95%信頼区間:56.0-65.8)でした1。初回接種の4.5年後に追加接種を行った結果、追加接種2年後のVEはわずかに上昇し、74.3%(95%信頼区間:66.7-80.1)でした2。入院予防効果は初回接種4.5年後で84.1%(95%信頼区間:77.8-88.6)、追加接種後も90.6%(95%信頼区間:78.9-95.8)と一貫した有効性を示しました1,2。4種のデングウイルス血清型全てにおいてVEが、7年間にわたり認められました。追加接種後、新たな安全性上の懸念は認められませんでした。

当社グローバル ワクチン ビジネス ユニットのプレジデントであるDerek Wallaceは、以下のように述べています。「QDENGAは、最も包括的に研究されているデング熱ワクチンです。世界中で60,000人を超える被験者が臨床開発プログラムに参加しており、このたびの長期解析結果は、世界中の多様な集団におけるQDENGAの安全性及び有効性プロファイルの持続性を示しています。 TIDES試験の成功に不可欠な貢献を下さり、デング熱のない世界に近づくために支援して下さった治験参加者、治験協力者、治験責任医師の皆様とこれまで協業してきたことを誇りに思っています」。

当社は、実臨床におけるエビデンスの創出と継続的なファーマコビジランスを通じて、ワクチンの安全性および影響に対する理解を深めるために、引き続き、製造販売後調査に注力します。これには、ブラジルのドウラドス市において、ドウラドス市の健康局とブラジルの研究者が共同実施するインパクト試験や、東南アジアの小児及び青少年を対象としたQDENGAの製造販売後有効性観察試験であるDEN-401試験が含まれます。

2022年にインドネシアで初めて承認されて以来、QDENGAは41ヵ国で承認され、2025年9月時点で、流行国11ヵ国において1860万回接種分が供給されています。世界保健機関がQDENGAを事前認証リストGo to https://extranet.who.int/prequal/vaccines/prequalified-vaccinesに加えたことは、QDEDNGAが、世界的なデング熱の脅威に対する公的な予防接種プログラムでの使用に適していることを裏付けています。

これらの結果は、2025年10月29日に、第14回世界小児感染症学会(WSPID)年次総会において発表されました2。当社は更に、非流行国における追加接種試験の結果を2025年11月11日の米国熱帯医学衛生学会(ASTMH)年次総会で発表する予定です。

第3相臨床試験TIDES試験(DEN-301試験)について

二重盲検、無作為化、プラセボ対照のグローバル第3相臨床試験であるTIDES試験は、小児・若年層被験者を対象とし、4種すべてのデングウイルス血清型によって引き起こされる、ウイルス検査レベルで感染が確認されたあらゆる重症度の症候性デング熱の予防において、TAK-003を2回接種した際の安全性および有効性を評価しています3。本試験は、4歳から16歳の健常な小児・若年層被験者2万人以上が組み入れられています3。被験者を2:1の割合で無作為に割り付け、 TAK-003 0.5 mL又はプラセボを0ヵ月時及び3ヵ月時に2回皮下投与しました3。本治験は5つのパートで構成されており、パート1である主要評価項目の解析では、TAK-003の2回目接種後12ヵ月までのワクチン有効性(VE)および安全性を評価しました3。パート2では、さらに追跡調査を6ヵ月間追加し、副次評価項目であるデング熱による入院予防効果、デングウイルスの血清型別VE、被験者のワクチン接種前血清状態別VEおよび症状の重症度別VEについての評価を行いました3。パート3では、WHOのガイダンスに従ってさらに2年半から3年にわたって被験者を追跡調査することにより、ワクチンの有効性と長期的な安全性を評価しました4。パート4では追加接種後13ヵ月間の有効性および安全性を評価し、パート5では、パート4完了後1年間の長期的な有効性および安全性を評価しました3

本試験はデング熱流行地域であるラテンアメリカ(ブラジル、コロンビア、パナマ、ドミニカ共和国、ニカラグア)およびアジア(フィリピン、タイおよびスリランカ)の8ヵ国にて実施されており、これらの地域ではデング熱予防のアンメットニーズが高く、重症型デング出血熱は小児の重篤な疾患および死亡を引き起こす主たる要因となっています6。ワクチン接種前の血液サンプルを本試験に参加するすべての被験者から採取しており、接種前の血清反応(デングウイルス感染歴の有無)別の安全性および有効性を評価することが可能です3。第3相臨床試験TIDES試験は、タケダがこれまで行ったなかで、最も大規模な介入臨床試験です。当社および専門家で構成される独立データモニタリング委員会は積極的な安全性のモニタリングを継続して行っています。

QDENGA®(4価弱毒生デング熱ワクチン)について

4価デング熱ワクチンQDENGA®(TAK-003)は、4種のワクチンウイルス型すべての遺伝子型の“バックボーン”として弱毒化された生の2型デングウイルスをベースとして、デングウイルス血清型に関わらず、予防効果がもたらされるように設計されています6

デング熱ワクチンについて

デング熱は、最も急速に感染が拡大している蚊媒介感染症で、現在、全大陸の100か国以上で流行しています7。デング熱は主にネッタイシマカ、および比較的低い割合でヒトスジシマカによって媒介され7、4 種のウイルス血清型すべてがデング熱または重症型デング出血熱を引き起こす可能性があります7。個別の血清型羅患率は地理、地域、国や季節によって異なり、また時間の経過とともに変化していきます7。ある血清型のウイルスに感染した場合、その血清型に対する免疫は一生涯続きますが、後に異なる血清型のウイルスに感染した場合、重症化のリスクが高まります8

武田薬品のワクチンに対する取り組みについて

ワクチンは、毎年350万~500万人の生命を救い、世界の公衆衛生に劇的な変化をもたらしました8。武田薬品は、約70年にわたり、人々の健康を守るため日本でワクチンを供給してきました。現在、当社のグローバルワクチンビジネスは、デング熱、新型コロナウイルス感染症、パンデミックインフルエンザなど、世界で最も大きな課題となっている感染症に対し、最先端の取り組みを行っています。武田薬品はワクチン開発、製造およびマーケットアクセスに関する豊富な実績と深い知識を有しており、世界で最も緊急性の高い公衆衛生ニーズに対応すべく、パイプラインの充実に努めてまいります。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細についてはhttps://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

重要な注意事項

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。
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将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」、「予測する(forecasts)」、「見通し(outlook)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件並びに国際貿易関係に関する状況を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、税金、関税その他の貿易関連規則を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機、温室効果ガス排出量の削減又はその他環境目標の達成を可能にする武田薬品の環境・サステナビリティに対する取り組みの成功、人工知能(AI)を含むデジタル技術の統合をはじめとする、業務効率化、生産性向上又はコスト削減に向けた武田薬品の取り組み、その他の事業再編に向けた取り組みが、期待されるベネフィットに寄与する程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings-and-security-reports/)又はwww.sec.govGo to https://www.sec.gov/において閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

References

  1. Tricou, V. Efficacy and Safety of Takeda’s Tetravalent Dengue Vaccine Candidate (TAK-003) After 4.5 Years of Follow-Up. Presented at the 8th Northern European Conference of Travel Medicine; June 2022.
  2. Escudero, I. Evaluation of a Booster Dose of the Tetravalent Dengue Vaccine, TAK-003, in Healthy Children in Dengue-Endemic Regions (DEN-301). Oral presentation at: World Congress of the World Society for Pediatric Infectious Diseases (WSPID 2025), October 29, 2025. Bangkok, TH. OP010.
  3. ClinicalTrials.Gov. Efficacy, Safety and Immunogenicity of Takeda’s Tetravalent Dengue Vaccine (TDV) in Healthy Children (TIDES). Retrieved November 2025.
  4. World Health Organization (WHO) Technical Report Series No. 979, 2013 Annex 2. Guidelines on the quality, safety and efficacy of dengue tetravalent vaccines (live, attenuated). https://cdn.who.int/media/docs/default-source/biologicals/vaccine-standardization/dengue/trs-979-annex-2-dengue.pdf?sfvrsn=bd659777_2&download=trueGo to https://cdn.who.int/media/docs/default-source/biologicals/vaccine-standardization/dengue/trs-979-annex-2-dengue.pdf?sfvrsn=bd659777_2&download=true.
  5. Murray, et al. Epidemiology of dengue: past, present and future prospects. Clin Epidemiol. 2013 Aug 20;5:299-309. doi: 10.2147/CLEP.S34440.
  6. Huang CY-H, et al. Genetic and phenotypic characterization of manufacturing seeds for tetravalent dengue vaccine (DENVax). PLoS Negl Trop Dis. 2013;7:e2243
  7. World Health Organization. Dengue. Published August 21, 2025.
  8. World Health Organization. Vaccines and immunization. Retrieved November 2025.